奈良オープンゴルフ選手権大会初日
梅雨シーズンに入ったものの、大会初日は正午現在、気温23度で、快晴無風の好コンディション。今年で24回目を迎えるが、奈良柳生CCでは2005年の第6回大会(優勝・田保龍一)以来2度目の開催となった。
最初に70を切る69をマークしたのが松田聖司である。インスタート3組目の赤松成眞が欠席となり、ウェイティングの一番だった松田が滑り込んで回れたわけだが、インを無難にパープレーでターンすると、アウトでは2、3番で連続バーディー、8番でも2mを沈めて33の69にまとめた。「コースへ早く来てスタートの20分前に携帯に電話が入ってラッキーでした。ゴルフの方もぶっつけながらラッキーが続きましたね」と顔をほころばせた。
その1組後の4組目で回った前川太治(たいじ)もさすがだった。2018年の第19回大会(グランデージGC)の覇者で46歳のベテランらしく、インは11番バーディーの35だが、アウトでは6番で4mを沈めると、8、9番で連続バーディーの33をマーク、68の好スコアをマークした。「最近になってようやくショットとパットが噛み合ってきたんです。けっして飛びませんけど、身上のステディーなゴルフでプレーできました」と自己満足な表情を浮かべていた。
しかし、同じ4組目でアウトからスタートしたデバルバ・ガブリエレがもっと凄いプレーを披露してくれた。2番で10mのロングパットを入れたが、6、7番連続バーディーで波に乗ると、なんと9番から12番まで4連続バーディーを奪取。16番のショートホールこそティーショットを左に外してボギーにしたが、最終18番で4mを入れて、32、33の65をマークした。「ショットそのものはあまり良くなかったけど、いいパットが何度も入ってくれました。それで流れがよくなりましたね」と会心の笑み。
父親がイタリア人の名シェフで7歳からゴルフを始め、16歳の関学高2年の時に関西アマ(宝塚GC新コース)で優勝し、一躍注目された。同志社大を経て、2018年卒業時の8月にプロテスト合格と同時に名門・鳴尾GCに所属し、この大会は2019年大会(奈良国際GC、優勝・近藤龍一)で3位に入ったこともある。「コースのコンディションもいいので、明日はスコアの伸ばし合いになると思う。それだけに気合を入れて頑張ってみます」と身長180センチのデバルバは闘志をみなぎらせている。
続く5組目の鈴木理央と松村景太も好スコアだった。鈴木は2、3番で連続バーディーのあと、8番でも2mを沈め、33でターン、インも10番から3連続バーディーを奪って33の66をマークした。「今日はドライバーショットが凄くよかったです。でも、あすは欲張らずにプレーしたい」と埼玉栄高―日体大卒業後20歳でプロ入りした26歳の鈴井は自制心で挑む覚悟だ。一方、同じ組の松村も鈴木に1打差ながら7バーディー(2ボギー)を奪ってみせた。プロテストは27歳で合格し、2020年の第21回大会(コマCC)の優勝者。現在40歳で「またチャンス到来なので頑張りたい」と意欲満々である。
また、インからスタートした組では8組目の加藤勇希と9組目の森岡俊一郎がともに67で上がってきた。加藤は11番で2mを決めると、16、17番で連続バーディーの33、アウトも1番バーディーのあと、2番で第2打をミスってボギーにしたが、6番で50センチにピタリつけ、8番でも30センチに寄せるスーパーショットでバーディーを奪い、34の67をマーク。4月の茨城県オープンでは最終日の最終組で回り、最終ホールで痛恨のトリプルボギーを叩き、3打差の3位タイに甘んじただけに「あの悔しい思いをこの大会にぶつけたい」と専修大から2019年にプロ入りして、現在霞が関CCに所属している加藤は雪辱を誓っている。森岡もインで11番、13番、15番でバーディーの33でターン、アウトは2、3番で連続バーディーの34の67をマーク。「今日のノーボギーは自信につながります。ずっとショットもいいので、あすはビッグスコアを出してみたい」と関学卒業後に宝塚GCに所属している28歳の森岡はノリノリ気分だ。
さらにトップから3打差につけたのが坂本一馬と光田智輝の二人も“優勝圏内”につけている。インスタートの坂本は11番、12番の連続バーディーのあと、14番で6m、16番は左に外してボギーを叩いたが、最終18番で1・5mにピタリ寄せるバーディーで33。アウトは1番と3番でバーディー奪ったが、パー3の4番で落とし穴にはまってしまった。ティーショットを右にOBしてトリプルボギー「6」の大叩き。しかし、そのあと5、6番で連続バーディーを奪い35の68をマーク。「もったいないミスをしてしまったけど、バーディーもたくさん取れたのでよかったです」と東北福祉大出身の26歳はまだまだあきらめてはいない。
アウト8組目の光田も堅実なゴルフだった。1、2番で連続バーディーの好スタートを切ると、9,10番でボギーしてイーブンに戻ったが、そこからが凄かった。11、12番で連続バーディーのあと、16番で4m、そして17番ではピン奥8mの下りのパットを沈める連続バーディーで盛り返し68と踏ん張った。「コースとの相性がよかったみたいです。明日も取りこぼしのないように頑張りたい」と中部学院大卒で、今季は東建コーポレーションと中日クラウンズに出場。プロ5年目の28歳中堅プロは密かにVを狙っている。
午後の組からは、榎本剛がただ一人68をマークして上がってきた。インからスタートして11番、18番、2番、そして8番とパー5のホールで確実にバーディーを奪った。「1パットのパーが4回ほどあったけど、そのほかは予定通り順調に回れました」とニッコリ。滝川第二高から関学を卒業後、2015年にプロテストに合格して今年でちょうど30歳。今年は関西オープンの49位だけだったが、この大会は2018年の第19回(グランデージGC)から出場しており「これまで4位が最高だったから、あすは最低でもベスト3に食い込みたい」控えめながらも目標を掲げていた。
この結果、1オーバー73ストロークまでのプロ58人と77ストロークまでのアマチュア20人の計78人が、きょう17日の決勝ラウンド進出した。
成績表はこちらからご覧いただけます。
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