奈良オープンゴルフ選手権大会初日
梅雨シーズンに突入したとはいえ、大会初日は正午現在で、気温22,8度、曇り空、微風の好コンディション。
今年で25回目を迎えた大会だが、オークモントゴルフクラブは第8回の2007年(優勝・桧垣豪)以来2度目の開催となった。
午前4組目のインからスタートした森井晶紀がいきなり大爆発だ。
パー4の4番で2・5mを沈めると、次のパー5の15番で残り210ヤードを4Iで楽々2オンに成功。4mのイーグルパットを鮮やかに決めた。
その勢いで16、17番と連続バーディーを奪い、31でターン。アウトは8番のパー3で第1がグリーンに届かずボギーの37にしたものの、4アンダーの68で上がってきた。
「きょうはグリーンを外したのは、あの8番だけで完璧に近いゴルフができました」と会心の笑みをもらした。
奈良県の田原本出身で、小学4年からゴルフを始め、奈良育英高時代からジュニアで活躍。この大会も同大1年だった第11回大会(2010年、シプレCC)時にベストアマに輝いている。「それからずっと出させてもらっているけど、今回はオークモント所属の武内(伸
悟)プロと一緒に何回もラウンドしましたからね。明日も自分のゴルフができれば…」と初Vに意欲を燃やしていた。
その1組後でアウトから出た阪本烈はすこぶる運がよかった。大会の予選会では「70」をマークしながら、カウントバックで落選。しかし、ウェイティングで早朝からコースに足を運んだお陰で、スタート45分前に加登隆太(アマ)が欠場したため、すべり込みセーフとなったのである。2番でボギーが先行したものの、5番3mを沈め、7番は2m、9番も1mに寄せてバーディーの34ターン。インも4バーディー、2ボギーと出入りの激しいゴルフながら34にまとめて4アンダーの68をマークした。
「ラッキーもいいところです。この難しいコースで7つもバーディーが取れたのですから…。明日はもっと慎重に回ってみたい」
大阪の興国高から愛知の愛岐CCに所属して、この大会も3年連続で出場しているだけに、まだ25歳ながら不気味な存在になりそうだ。
さらに、イン8組目の青山晃大も堅実なゴルフを見せた。10、11番と連続バーディーの34をマークすると、アウトは2番でボギーを叩いたものの、7番のパー4で4mを沈め、パー5の最終9番では残り50ヤードから58度のウエッジで3mにつけてバーディーの35。69の3アンダーで上がった。
「やっぱりグリーンが難しかったですね。さすがニクラウスの設計だけに苦労しました。でも、自分なりに頑張りました」と自画自賛。
愛知の西陵高から中京大ゴルフ部出身で、2年前の第23回大会(コマCC)の優勝者でもある。また、中部アマでは、2018年(東名古屋)と2019年(富士CC可児C)で2勝をマークしている24歳の新鋭プロは、優勝争いに欠かせぬ存在となろう。
また、インの9組目から出た水田竜登も69で上がってきた。出だしの10番でいきなり3パットのボギーを叩いたが、すぐに11番でOKのバーディー奪うバウンスバック。パー5の15番では第2打を7I でピン上1mのピタリのバーディーで35。アウトも1番で2・5m、6番でも2・5mのバーディーパットを決めて34をマークした。
「きょうは15番を除いて、あとのパー5でバーディーを取れなかったのが悔しいです。予選会では66を出しているので、まだまだ伸びシロがあると思って頑張りたい」と闘志を燃やしている。だが、さすがにコースを熟知しているプロは強かった。
水田の1組後でオークモント所属の武内伸悟だ。
10、11番を連続バーディーの好スタートを切ると、16番でティーショットをミスしてボギーにする35でターンしたが、アウトが凄かった。2番で2m、4番で8mを沈めると、6、7番で連続バーディー。最終の9番でも残り280ヤードから3Wでグリーンの奥にこぼしたが、SWで20センチに寄せてバーディーフィニッシュの31をマーク。6アンダーの66で単独トップにのし上がった。
「今日は自分なりのゴルフができてよかった。でも、このコースは油断できませんから…。あすもしっかり頑張りたいです」
2015年に同コースで開催された南都オープンでは初日にトップに立ちながら、最終日に78と崩れて尾方智彦に逆転負けを喫しただけに、その雪辱と大会初Vに向けて慎重に挑む姿勢を崩していない。
また、第15回大会(奈良ロイヤルゴルフクラブ)優勝の秦和弘も3バーディー、1ボギーの70にまとめ「ひさしぶりにいいゴルフができた気がする。あすも欲張らずにプレーできれば…」とマイペースを強調していた。
第20回大会(奈良国際ゴルフ倶楽部)優勝の近藤龍一も同じく2アンダーの70から巻き返しを狙う。
午後の部では、アウト2組目の小野田享也が踏ん張った。4番で1mを沈め、5番でボギーを叩いたが、6番でバーディーを取り返した後、8、9番で連続バーディーを奪って33。インはすべてパーの36ながら69をマークした。「アウトは上手く?み合ったけど、インで伸ばせなかったのが悔しい」と反省しきりだった。
だが、イン4組目に途轍もないアマチュアが出現した。
大阪の興国高1年の山田龍之介(15歳)だ。12番でボギーが先行したが、13番でピン奥5mから初バーディーを奪うと、14番ボギーの後、15、16番で連続バーディー。18番も3mを沈めて34で折り返した。アウトに回ると、パー5の4番では3Iで2オン2パットのバーディー、6番で3m、最終の9番でも3Wで2オンして2パットのバーディーで締めくくり33の67をマークしてきたのである。
「グリーンがすごく傾斜があって難しかったです。でも、7つもバーディーが取れてよかった」と素直に喜びを表現。南武庫之荘中学時代は、関西ジュニア(宝塚GC)で優勝し、今週の日本パブリック(武庫の台GC)でも2位に入る健闘を見せたばかりだ。
「初めての大会で最終日に最終組で回れるなんてうれしいです。自分の力を思い切って発揮したいですね」首位の武内とはわずか1打差の単独2位。アマチュアが勝てば、大会史上初の快挙だが、これまでにない大混戦のV争いが繰り広げられそうだ。
この結果、74ストロークまでのプロ58人と79ストロークまでアマチュア21人が、きょう14日の決勝ラウンドに進出した。
成績表はこちらからご覧いただけます。
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